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November 11, 2013

市販薬のネット販売

厚労省とネット業界っていうか三木谷さんとでかみ合わないやりとりが繰り返されている。真正面からぶつかっているように見えて、売る人と承認する人とがそれぞれ自分の立場を主張しているだけに見える。肝心の消費者や患者の視点が置き去りにされているようにも見える。


私自身は薬のネット販売そのものには反対ではない。もっとネットの良さを使えばいいのにとは思っている。が、今の議論の流れには違和感を感じている。そもそも「医薬品」というものの性格上、ネットに限らず販売においていろいろ制限があるのはやむを得ない。この制限がネットに限って設けるべきものかというとそうでもない。対面販売かどうかがそんなに重要な要素なんだろうか?

前回の薬事法改正のあと、店頭でも1類は鍵をかけられ薬剤師がいないと売ってもらえなくなっていたが、最高裁の判決後は、普通の棚に並んでいる。春先に、二人の娘と私の分のアレグラを大量購入したことがる。山ほど抱えていてもレジでは「ご自分で使われますか?」など聞いただけ(レジ打ってたのはたぶん薬剤師だとおもうんだけど)で簡単に売ってくれた。アレグラって1類じゃなかったっけ?。


「ネット販売」のよくない面ばかり強調されているように見えるが、ネット販売にはメリットもある。
1.近くに薬屋が無い人、忙しくて買いに行けない人、体が不自由な人・・・いろんな理由で薬屋さんでの買い物が難しい人にとってこれほどありがたいものはない。
2.痔や陰部の薬など、店頭では恥ずかしくて買いにくいものが買える。
3.ネットでものを買うためには、自分自身の個人情報を開示しなければならない。個人を特定できるということ、どこの誰とはいわずに買える店頭とは違う。ネットでは個人情報が明らかなため、万が一の場合に相手に通知する手段がある。(上記2のものを買うときは、個人情報を入れるときに結構気になるとは思うが・・・)


ネットを快適に活用するためにいくつかの工夫が必要だろう(下記は思い付きレベル、ちゃんとした検証は必要です)
・ネットショップは医薬品の注文が入ったお客には電話とメールで購入確認をして、連絡が付くようにすることを義務付ける。
・カートに入れる前に、ヒアリング項目を提示したり、薬の用法容量や副作用の情報を表示し、読まないとカートに進めないようにする。
・個人情報保護法との絡みがあるけれど、医薬品を買った人を名寄せできるようにする。
・ネットで医薬品を販売できる事業者を認可制にする(キャー!「許認可」)。
・販売したお客に対して副作用などなかったかを調査する。
などなど。


ネットショップにとって負担は多少は増えるかもしれない。システム改修のコストもかかる。お客にとっても手間は増える。が、安全に快適にネット販売を活用するするためには、ちょっとしたひと手間・工夫は必要だと思う。本やワンピースを買うのと全く同じショッピングカートシステムで販売するよりはのはちょっと無理があるだろう。
(※)なお、「なりすまし」などの悪人は、ネットだろうが店頭であろうが存在する。そのためだけにシステムをガチガチにすべきではない。こういう悪いものに対しては薬事法ではなく刑法が対象だろう。


ビジネスの拡大を阻害する、というのはこの場合適切でないと思う。そもそも薬のネット販売というものをアベノミクスの規制緩和の対象なんだろうか?


毒と薬はさじ加減である。「薬が手に入る」という表現だと「人の命を救う」という印象がある。一方で、「薬が自由に手に入る」という表現だと「なんか悪いことをしそう」と受け取られる可能性がふくまれてくる。「ネットは胡散臭い」と決めてかかっているおじさん達を相手にするのである。もっと理論武装しないと。

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